熊野筆まつりと「彼岸船」(3)

14時前、彼岸船が神社に近づいてくる時間です。
先回りして境内で待機します。
本体の彼岸船に先立ち、熊野東中学校、熊野中学校のやや小ぶりの彼岸船が入ってきます。
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このような形で子供たちが祭りに主体的に参加することは、祭りを盛り上げることができるだけではなく、地域アイデンティティを高め、将来の彼岸船の伝承者を養成するという点でも意味があるでしょう。

そして、彼岸船が境内に入ってきました。
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境内右手の筆塚の前で止まり、舵を押し下げて3回「あいさつ」をします。
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その後、急坂を上の広場まで引き上げていきますが、なかなか苦しそうです。
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坂を登り切ると、船は露店に囲まれた広場に入ってきます。
小休止の後、この広場でパフォーマンスが行われるのです。観客は船を取り囲むようにして見守ります。
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まず、船は3回船首を下げて「あいさつ」をします。
その後、右に1回、左に1回、その場で大きく回転します。彼岸船最大の見せ場です。
観客からは拍手と歓声が起こります。
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船を止めおき、そのまわりで女性会による「筆おどり」が披露されます。
その後餅まきがあり、祭りは幕を閉じます。
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熊野町は山あいの町ですが、こうした地にも「船の祭り」があるというのが興味深いところです。
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熊野筆まつりと「彼岸船」(2)

彼岸船は、10時30分に平谷交差点を出発、町内を巡行して14時頃に神社に入ってきます。
まだ1時間あまり時間があるので、ルートを逆行して彼岸船を探します。
呉地公会堂の先で、向こうからやってくる彼岸船を発見。
各地区の子ども会が綱を引っ張ります。

驚いたのは、伝統のお囃子があると思いきや、スピーカーから大音響で音楽を流していたことです。
演歌とか、「夢をかなえてドラえもん」とか・・
鳴り物としては、中に大太鼓1が据えられていますが、伝統的にはどうだったのでしょうか。
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軽トラックを改造した先導車が先頭を行きます。
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巨大な彼岸船は、全体が華やかに飾り立てられています。
船は2トンあまりの重量があると言います。
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ときどき前方の竹でできた舵を押し下げて、船体を前傾させます。
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それにしても、「彼岸船」という名を持つ船型だんじりはたいへん珍しいと思います。
単純に考えると、彼岸(の祭り)に出るから彼岸船、というように思われますが、『熊野町史(生活誌・資料・年表編)』には以下の3つの説が挙げられています。
(1)八朔の「たのも船」に関係しているという説。
(2)萩原の龍王神社のご神体の渡御から広まったという説。
(3)仏教の彼岸船に由来するという説。
これらのうち、『熊野町史』は(1)の説が有力としていますが、その由来についてはなお検討を要するとしています。

華やかな飾り付けは、(一部地域の)お盆の精霊船とも共通する部分があるようにも思いますが、影響関係は不明です。
「見せる祭り」として、次第に風流(ふりゅう)化=華美化したという側面もあるでしょう。

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熊野筆まつりと「彼岸船」(1)

9月22日(木)の秋分の日、広島県安芸郡熊野町で「熊野筆まつり」が行われました。
秋分の日といえば9月23日という印象がありますが、9月22日が秋分の日になるのは実に116年ぶりのことだそうです。
熊野筆まつりは榊山神社・熊野本宮神社周辺で開かれますが、同じ日に「熊野彼岸船」の巡行も行われています。
今回の調査のメインは、筆ではなく、こちらの船の方です。

熊野町といえば、熊野筆の産地として知られます。
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祭りの舞台は、榊山神社・熊野本宮神社境内の周辺。両神社の鳥居は、道路に向かい隣接して立っています。
こちらは榊山神社。
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こちらは熊野本宮神社。
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石段を登ると広場のような空間になっており、そこに熊野本宮神社、諏訪神社、榊山神社の社殿が少し距離を置きながら並んでいます。
写真左手は諏訪神社、右手は榊山神社で、後ほど、この広場で彼岸船の「回転」が行われます。
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熊野本宮神社の参道には、「筆まつり」らしく、たくさんの筆が吊るされています。
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筆塚の背後では筆供養が行われています。
持参した古い筆を燃やして供養するのですが、ひっきりなしに筆を持った人がやってきます。
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津田の盆踊り(7)

まず、「子持ち組」の女性3人が登場し、迎え火の前で海に向かい、亡くなった人の霊を呼び招きます。
 「次郎さーん、お盆やけん、もんといでよー(戻っておいでよ)。」
 「おとう、もんて(戻って)こいよー。」
海の向こうの他界に、声を届けます。
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そして、子持ち組の乱舞。
さらに他のメンバーも加わり、踊りの輪が広がります。
祖霊とともに踊る、盆踊りの姿がここにあります。
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ひとしきり踊り終えると、魂を海の向こうの他界に戻してあげなければなりません。
ひとがたを岸壁から海に投げ入れます。
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一同海に向かい、手を合わせて般若心経を唱和します。
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その後方では、男性1人が塩を直線上に蒔いていきます。
浄めの塩の意味だといいます。
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最後、塩の上をまたいで、みな静かに帰途につきます。
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かくして今年の「津田の盆踊り」も、無事に幕を閉じました。
戦後、観光化の流れに飲まれてしまったかのような阿波踊りですが、今も市内にこうした伝統的な姿をとどめた踊りが残っているのは驚きです。
これは、漁師町である津田地区の、伝統を重んじる気風、人々の繋がりの強さにもよるものでしょう。
現在の阿波踊りでは失われた、阿波の盆踊り(阿波踊り)の古い素朴な形を随所に垣間見ることができるという点で、津田の盆踊りはたいへん重要な事例と言えます。

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津田の盆踊り(6)

あたりはすっかり暗闇に包まれましたが、街灯を手がかりに、一行は津田の町を港に向かって進んでいきます。
途中、「えびすや」さんの前で輪踊り&小休止。
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20時過ぎ、津田の港に到着。
ここで、津田の盆踊りのクライマックスである「精霊送り」(魂呼び・魂送り)の儀式が行われるのです。
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海を前にした岸壁の前に、迎え火の道具とお供え物がセットされます。
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音楽好き、酒好き、祭り好き、釣り好き。
「徳島の祭りと民俗芸能の単独悉皆調査」という無謀な仕事を、気合いで進めています。

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